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つい先ほどの出来事なのである。
ここ3,4年ほど、心底動揺する状況に陥ったことはなかった。
こういうことは、できれば経験しないほうが良く
一度経験したらきちんと学習して,二度とこのような状況に陥らないように
しなくてはいけない。
猫が脱走した。
今日は運の悪いことが重なってしまった。
会社の帰りにちょっと買い物をしていたら
地下鉄が火災騒ぎでストップしてしまい
ただでさえ帰宅が遅いところ、さらに遅くなってしまった。
その帰りの電車の中、夫からメールが入った。
「本日遅くなります」 キーッ!
接続電車も混みに混み、家に着いたのは
いつもより2時間も遅かった。
ようやく家に着き、家の中が暑かったので家中の窓を開け
網戸だけにして風を通し、猫に1回目のご飯をやり
さて、その間に、と私はシャワーを浴びる。
そこへ椿父から電話だ。
急いで浴室から出て、話好きな父親の相手をする。
電話を切り、リビングに戻ってみたら、何かいつもと違う。
どうも猫の気配が足りない。
チャーがゆったりと歩いているのを視界の端にして、点呼だ。
「摩耶ーっ! ユメーっ!」
あ、摩耶はカーテンの陰、窓の桟にいた。
で、ユメは?
あっ・・・窓が開いてる !!!
網戸は閉まっているとばかり思っていた。
そうだ! 夫は私と反対側に網戸をセットするのだ。
が、この際、もうそんなことはどうでもいい。
窓の外は夜の闇だ。 裏は畑だ。
もしかしたら一生ユメには会えないかもしれない!
すぐ前の道に飛び出して、車に轢かれたらどうしよう?!
そんな最悪の状況が頭を掠める
とにかくなんらかのアクションを起こさないと!
そう思った私は、こんなことで戻ってくるのか、と思いつつも
飼い主と同じで食い意地が張っている猫の性格を考え
シーバの袋をカシャカシャさせながら、闇に向かって猫を呼ぶ。
「ユメーっ!(カシャカシャ) ユメーっ!(カシャカシャ)」
と、どこからかチリチリという鈴の音がした。
しめた! あれはユメの鈴の音だ!
窓から外を見ると裏の勝手口の前にユメの後ろ姿がある。
大急ぎで勝手口を開ける。
が、ユメは入るどころか家の正面に走って逃げ
そのまま掃き出し窓から家の中に入ろうとした。
ところが、閉めてあった網戸にぶつかり、そのまま車の下に逃げ込む。
私は勝手口からスリッパのまま飛び出したが
スリッパのことは忘れ、シーバを手に必死で猫を呼ぶ。
「ユメッ、ユメッ!」
猫がほんの少し近づいてきた瞬間、前足に手をかけたが
一瞬のタイミングが狂い、猫は道路に出て(きゃーっ!)
そのままお隣の縁の下に入ってしまった。
(道路を走って逃げなくて良かった。)
お隣の縁の上(?)の掃き出し窓のシャッターは閉まっていたので
私はこっそりとお隣に侵入して、猫を呼ぶ。
「ユメ、ユメ!」
「みぇーん、みぇーん、あぉーん。」
10回ほども呼んだだろうか。 一向に出てくる気配はない。
しかし、動く気配もないので、私は作戦を変更することにした。
いや、作戦なんてハナから無いのだが。
一度家に戻り、スリッパをサンダルに履き替え
(いつもお隣さんと気取って挨拶をする時とはあまりに違う)
パジャマ代わりのぶかぶかのTシャツと、デカパンのような短パン
おまけにシャワーから出たてのためスッピンで、髪はクリップで
ちょん、と止めただけという、ひどい格好でお隣のチャイムを鳴らす。
「すみませーん。ウチの猫が脱走して、お宅の縁台の下に
入ってしまったんですけど、入らせていただいてもいいでしょうか」
お隣さんとは結構仲良しなので、奥さんが走って出て来て
玄関ポーチのライトを点けてくれる。
「懐中電灯もいりますか?」という親切な申し出を断り
長期戦になるかもしれないので、一人で大丈夫です、と
家の中に入ってもらう。
今度は遠慮なく、猫の名前を呼びながらシーバでおびき寄せる。
手が届くギリギリのところまで来た、ところを、っとまた逃げられた。
私も、猫もドキドキしているのがお互いにわかる。
しかし、私も伊達に長く生きているわけではない。(関係ないけど)
私はハラを決めた。
幸いなことに、縁台の下は私が潜れるギリギリの高さがある。
こうなったら、汚れようが、蚊にさされようが、顔や手足を
擦りむこうが、構わない。
地面に腹ばいになって、縁台の下にそーっと潜りこむ。
猫とは目線をそらさない。
充分に手が届く距離に近づいて、シーバを見せる。
一口ふたくち、シーバを食べ、一瞬の隙ができた猫の前足をひっ掴む!
やった、捕まえた!
は~っ、安堵感で体から力が抜ける。
掴んだ手は絶対に離さない。
猫の手を掴んだまま一緒に縁台の下から這い出る。
猫をがっちり抱き、家に戻り、心配してにゃーにゃー鳴き続けていた
2匹の猫の中に脱走猫を戻す。
私は再びお隣のチャイムを鳴らす。
「おかげさまで捕まえることができました。ご迷惑をおかけしました。
ありがとうございます。」
扉を開けて出てきたお隣の奥さんは家の中に向かって叫ぶ。
「椿さんちの猫、無事に戻ったってー!」 「よかったねー。」
お嬢ちゃんの声だ。
そして、私は放心状態でフラフラと家の中に入った。
1分が1時間ほどに思えたこの捕物劇、時計を見たら
実際は、脱走したのが分かってから捕まえるまで30分ほど。
その後で食べた夕飯は、いったいどこに入ったのか
覚えていない。 味も覚えていない。
とにもかくにも
「猫が脱走しました。捜索中です」
などという記事を書かずに済んで良かった。
帰還直後の猫
今後、よそのお宅の猫が、いつウチの縁台の下に入り込むとも限らない。
縁台の下は常にきれいにしておこう、と心に決めた夜だった。
今、確認したところ、Tシャツはドロドロ、髪の毛はぐしゃぐしゃ。
虫さされの跡、無数。 腕に擦り傷、数箇所。
でも、猫との対価としたら安いものだ。
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コメントをどうぞ。
ご心配かけました。
◇うっしーさん
寿命が縮まる、ホント、そう思いました。
頭が真っ白になる、というかあのドキドキ感は
できれば2度と味わいたくないものです。
ともかく捕まえられて良かったです。
◇ナオミさん
ユメは以前にも1度脱走をしたことが・・・。
次の日から何故か肋骨付近が筋肉痛。右ひじに擦り傷
足に青あざ、と、私はいったい何をしたんだろう?
と思うような傷が残っています。必死だったんですね。
笑って話すことができるのが何よりです。
◇Emiちゃん
おお、ついにコメント、ありがとうございます。
びっくりした勢いってのはすごいね~(笑)
おかげさまで無事に捕まえることができました。
私も必死でした。こんな思いはもう2度と経験したく
ないので、気をつけますね。
◇nana-bataさん
あの時脱走したのもユメでした。
その時も夫は私に叱られ、もちろん今度も
遅く帰ったことと、網戸のセットの方向が違うことを
めちゃくちゃ怒られましたとも。
ああ、ホントに捕まえられて良かった~。
◇mi-hoさん
ええ、実はこんなに大変なことがあったんですよ。
その時の興奮冷めやらぬ中で文章を書いたので
臨場感はたっぷり、かもしれませんが誤字脱字アメアラレ。
後からずいぶん訂正したんですよ(笑)
捕まえることができて良かったです。ホントに。
◇マイクママさん
窓の外の夜の闇を見た時の絶望感は今でも覚えています。
もう2度とこういう思いはしたくありません。
脱走したらシーバも伊達巻もメロンも食べられないのに!
寿命が縮まる、ホント、そう思いました。
頭が真っ白になる、というかあのドキドキ感は
できれば2度と味わいたくないものです。
ともかく捕まえられて良かったです。
◇ナオミさん
ユメは以前にも1度脱走をしたことが・・・。
次の日から何故か肋骨付近が筋肉痛。右ひじに擦り傷
足に青あざ、と、私はいったい何をしたんだろう?
と思うような傷が残っています。必死だったんですね。
笑って話すことができるのが何よりです。
◇Emiちゃん
おお、ついにコメント、ありがとうございます。
びっくりした勢いってのはすごいね~(笑)
おかげさまで無事に捕まえることができました。
私も必死でした。こんな思いはもう2度と経験したく
ないので、気をつけますね。
◇nana-bataさん
あの時脱走したのもユメでした。
その時も夫は私に叱られ、もちろん今度も
遅く帰ったことと、網戸のセットの方向が違うことを
めちゃくちゃ怒られましたとも。
ああ、ホントに捕まえられて良かった~。
◇mi-hoさん
ええ、実はこんなに大変なことがあったんですよ。
その時の興奮冷めやらぬ中で文章を書いたので
臨場感はたっぷり、かもしれませんが誤字脱字アメアラレ。
後からずいぶん訂正したんですよ(笑)
捕まえることができて良かったです。ホントに。
◇マイクママさん
窓の外の夜の闇を見た時の絶望感は今でも覚えています。
もう2度とこういう思いはしたくありません。
脱走したらシーバも伊達巻もメロンも食べられないのに!
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HN:
椿
性別:
女性
趣味:
読書など
自己紹介:
老後はミモザ館(やかた)の
女主人になることを夢見つつ
4匹の猫と暮らす。
(いつの間にか5匹に)
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